２０１７年、震災が落ち着きを見せたころ再び東京へ戻る機縁を迎えることになりました。
知人の紹介で都内のお寺で働くこととなり、身近に感じていた仏事に係る仕事に就くことになりました。今思うとお寺で働くということは中々ご縁がないものであり、専門性の高い職業だと思います。私は仏教を身近に感じていたとはいえ、全く無知だった事を痛感させられました。
お寺では「死」という普段接しにくい出来事が多くあり、訃報があった方々のご対応をすることも少なくありませんでした。

ご遺族を安心させるために尽力するご導師の姿や、葬儀を施行する葬儀社の担当者の方々の想いも感じました。そして、葬儀後のお骨を収めるためのお墓のご相談や石材店へのご依頼や、ご遺族との忌明け（七七日忌）法要のお打ち合わせなど、人の最期にはご遺体のお迎えから、ご安置、ご葬儀、ご納骨に至るまでの一連のご葬儀の流れの中で、多くの方々が携わっていることに気づかされました。
お寺での職に就き、諸先輩のご指導のもと６年が過ぎた頃には仏事に関する知識や経験が身に着いてきたこともあり、２０２２年に仏事全般の業務に関わる株式会社ＭＡＮＹＯＤＯの設立に際し、恐れ多くも代表取締役という重責を担うこととなりました。

故郷の生活で培った共生共存の理念において、人の死は他人ごとでありません。
また、当社の葬送理念である「一輪の花に想いを託す物語」とは、お花ひとつひとつにご遺族やご参列者、ご葬儀に携わる方々の想いを込めて、故人様が歩んでこられた一生の最期を飾る物語として、こころのこもったよりよいお葬式を目指していく所存です。