
お役立ちコラム
お電話にて、以下のようなお問い合わせを受けたことがあります。
「ご香典は表に何て書いたらいいの」
当日の式に参列される方からでした。仏式でしたが、浄土真宗ではなかったので、「御霊前」で大丈夫かと思いますとお答えしました。
もちろん、何事にも諸説があり、特にお葬儀事は諸説に満ちあふれています。
以下のような説明が、以前は一般的だったのではないでしょうか。
七七日(四十九日)を迎えるまでは此岸(しがん)(現世)から中陰(七七日の旅)を経て彼岸(迷いや苦しみなどの元となる、煩悩の無い悟りの世界)へ向かうとされています。
七七日までは「御霊前」、七七日を過ぎますと「御仏前」とされます。
七七日法要の多当紙は「御仏前」でお包みします。
近年、お葬式に対して関心が高まっており、冠婚葬祭にかんするマナーブックが多く登場しては、書店の本棚の一角をにぎわせるようになりました。それに伴って、各宗教、各宗派においても、各自の約束事を見直す機会になったと考えられます。
上記の浄土真宗ですが、浄土真宗では亡くなってすぐに浄土に「往生する」ということですから、霊は認めないということになっています。したがって「御仏前」とする、ということになっているそうです。
他には昔、香典は、死者の腐敗臭をお香でおさえるために身内や近所の方々が持ってこられていたので、「霊」に捧げる「御霊前」とされていたそうです。
実際、葬儀に参列されるまで、どのような形式での葬儀なのか、分からない場合には「御霊前」でお出しすることをおすすめいたします。
【薄墨で表書きを書く】
ご香典の封筒には、薄墨(うすずみ)を用いて、表書きを記します。これは、昔からの習わしであり、人が亡くなったらすぐに駆け付けることが望ましいとされ、封筒に表書きを記すのに、墨をしっかりと摺る余裕がなかったためです。一刻も早く故人の枕元に赴くために、うっすらと字が読める程度で大丈夫だったのです。現代のように筆ペンがなかった時代です。
やがて、薄墨が当たり前と認識されてからは、薄墨でなければ失礼にあたるというマナーが生まれてきました。現在、薄墨用の筆ペンも登場しています。もちろん、あくまでも気持ちが何より大切ですが、ひとつのマナーとしてご参考になさってください。
百貨店や和菓子屋さんで、品物にのし紙または、掛け紙を付ける場合に、「濃墨(こいずみ)ですか、薄墨ですか」と聞いてくれることもあります。慶事や普段事なら濃墨ということになります。
【いつまで薄墨で?】
いつまで薄墨で書くべきか。これは一概には言えません。忌明け(七七日/四十九日)までとしたり、一周忌まで、または三回忌までとしたり、その地域の決まり事があると思います。お寺様に確認してみてもいいかもしれません。
【中に入れるお金】
他には、封筒にお金を入れる際の決まり事もあります。まず、結婚式とは反対で、新札を使用しないことになっています。新札の場合は、わざと半分に折り、折り目をつけることになっています。これも、上記の薄墨の場合と同じく、急いで故人のもとに駆け付けるため、わざわざ新しく用意する暇がなかったことを示すものでした。また、新札であると、人の死を予定していたのかと、先方に思わせてしまうからとの配慮もあったそうです。
【お札の向き】
お札(さつ)の向きですが、封筒の表(おもて)面に対して、お札を裏返しにして、封筒に納めます。一方、結婚式など慶事では封筒の表側に合わせて、お札の表(おもて)面が表側になるようにします。
【封筒について】
現在は慶事、弔事ともに専用の封筒がちまたで売られており、コンビニやスーパー等でも気軽に購入することができます。多くは水引があらかじめ印刷されたものとなっていますが、なかにはきちんと水引が添えられているものもあります。水引については別項にてご説明いたします(リンク※準備中)
多当折(たとうおり)型と封筒型の二種があります。どちらの場合も、直接お金を入れるのではなく、付属の中袋(なかぶくろ)に納めてから、その中袋を封筒に納めるようにします。代わりに半紙を用いても構いません。
中袋には、金額と、差出人の住所と氏名を記入します。金額を記す際、より丁寧にする場合に「大字」(だいじ)を用いることがあります。
(例)「金.参萬圓也」(縦書き) 圓は円の旧字となります。「也」は「~です」の意。
(ご参考)一/壱、二/弐、三/参、五/伍、十/拾、千/仟/阡、万/萬
他にもあります。よろしければ調べてみてはいかがでしょうか。
【表書き】
以下、代表的な「表書き」を記します。
<仏式>
「御香典」/「御香奠」
仏式のみとされています。
「御霊前」
浄土真宗以外のご宗旨で使用します
「御仏前」
浄土真宗の場合、また他宗派においては忌明け法要時以降に使用します
「御香華料」(お/ごこうげりょう)
特に仏式では、お花(華)と「香」(焼香や線香)が重要なお供え物として考えられています。お花のため、お香のための代金の意味合いになります
「御弔料」(おとむらいりょう)
職場関係者の場合、職場名で出す場合に用います
<神式>
「御霊前」
「玉串料」(たまぐしりょう)
霊前にお供えします。
「御榊料」(おんさかきりょう)
玉串料と同様です。
「御神前」
玉串料と同様です。
<キリスト教式>
「御霊前」
「御花料」/「忌慰料」(きいりょう)
「御弥撒料」(おんみさりょう)
「弥撒」はミサであり、日本風に丁寧に表現してこのような表記ができあがったのでしょう。カトリックの時に用いられます。
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